2013/12/12

cooking

マイルスの名盤の話をしたいわけではない。
かといって自分はまったくもって料理がだめな人だ。

しかし、
温かい心で聞き流していただきたいのだが、
子供の頃ホットケーキを 作るのが大好きだった。
普段早起きできないくせに、休みの日になるとワクワク早起きしてなぜかホットケーキを作る。
家族はふとんの中でぬくぬくしながら可愛い長男が作るホットケーキを待っている、
というとてもいい話だ。 この際たとえ味がまずくてもいい話だ。
家族は喜んだ。それで、変に自信を持ってしまったのが運のつきだ。

(大人になった)ある日、友人に
僕はホットケーキを作るのが得意だ、とうっかり言ってしまったのである。
 
その後の展開はまったく予想していなかった。

はっ!?ホットケーキって料理か!?
いちおう聞いておくが、市販のホットケーキミックスを使うんだよね?
おいしく作れるように研究されたホットケーキミックスを使って作ったホットケーキがおいしいと、そういう話だよね?
どう考えても、君は何一つすごくない。賞賛されるべきはその馬鹿でもおいしいホットケーキを作れるようなミックスを開発した森永かどこかの会社でしょ?

かなり落ち込んだ。だが本当に落ち込んだのは少しの間で、実際はけっこう考えさせられた。

料理のスキルっていったいなんなんだ?
どこを起点に再現性が望まれるものなんだ?

ホットケーキミックスを売ってない外国でも同じ味が再現できないと能力として認められないのか?
(確かにアメリカで大好きだったブラウニーミックスが日本で売っていないので再現できなかったりする)それとも、無人島にほうり出せれても再現できないとだめなのか?いやいや、小麦を育てる能力、にわとりを育てて卵を得る能力はいくらなんでも問われていないだろう。。

だんだん屁理屈になってきた。。。しかし料理ってやつはたとえ同じ食材が手に入っても初期値を完璧にそろえることが難しかったりする。温度とか水分とか塩分とか、何人前作るときも同じ熱伝導度の器具を使うとか。

自分はそのへんまったくセンスが無い。そういうのを器用にこなす人の手さばきは魔法みたいに目に映る。

しかし音楽職人としてはそこをあきらめるわけにはいかない。身に着けたスキルは無心で再現できなければならないのだ、と無理やり教訓にリンクさせ、自分に言い聞かせておく。






 


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