ぱっと見敷居が高くて、人に薦めても浸透した試が無いのだが、
自分は友人に教わって以来ここ何年か、譜面を書くときにLily Pondという
gnuのフリーソフトを利用している。
http://www.lilypond.org/index.ja.html
なぜ敷居が高いかというと、このソフトは言語入力で譜面を書きます。
プログラミングしてコンパイルすると譜面を吐き出してくれるという仕組みです。
たしかに、この文化がmacとかで育った音大生たちに浸透するとは思えない。。
しかし実際はすごく簡単で便利なのです。
たとえば下に例を書きました。赤い文字のところ書き換えてコンパイルするだけで
とりあえず譜面ができます。(コンパイラはlinuxでもwindowsでもmacでも動きます。)
音程、オクターブ、音符長さ、の順番におたまじゃくし情報を決めるだけです。
音程の文法はドイツ音名もどきになっております。
%Lead Sheet template
\header {
title = "Lead Sheet template"
composer = "Shin-ichiro Motty"
}
\new StaffGroup
<<
\new Staff
{
\clef treble
\time 4/4
a4 b4 c'4 d'4 | e'4 f'4 g'4 a'4 | \break
ais4 bis4 cis'4 dis'4 | eis'4 fis'4 gis'4 ais'4 | \break
aes4 bes4 ces'4 des'4 | ees'4 fes'4 ges'4 aes'4 | \break
a8 b8 a8 b8 a8 b8 a8 b8 | a16 b16 a16 b16 a16 b16 a16 b16 a16 b16 a16 b16 a16 b16 a16 b16 | \break
}
>>
↓お見事
さらにおたまじゃくしにコメントを加える文法を使用すると、
a4^"A" b4 c'4 d'4 | e'4^"Bm" f'4 g'4 a'4 | \break
ais4^"Cb7" bis4 cis'4 dis'4 | eis'4^"Ddim" fis'4 gis'4 ais'4 | \break
aes4 bes4 ces'4 des'4 | ees'4 fes'4 ges'4 aes'4 | \break
a8 b8 a8 b8 a8 b8 a8 b8 | a16 b16 a16 b16 a16 b16 a16 b16 a16 b16 a16 b16 a16 b16 a16 b16 | \break
こんなふうにコード記号や音楽記号を書き足すこともできます。
ところで、 このソフトが作曲家のライフスタイルを変えると言っても過言ではないのです。
外出中に五線紙を持っていないとき、せっかく空から降りてきてアイデアをメモすることができず、そしてそのアイデアを2度と思い出すことができなくて悔しい思いをした音楽家たちが何世紀にもわたって枕を涙で濡らしてきたと聞いています。
ほら!!見てください、五線紙がなくても文字情報、テキスト情報は紙に書いたり電話機にタイプしたり自由自在です。私は最近はもはやこのソースコードを見ているだけで音楽を頭の中で再生できます。
今に漢字をかけなくなるのと同じで楽典を忘れてしまうかもしれません。でも等価な情報を記録する術を得たのです。
さほど、オーバーに魅力を語っていないし、笑う箇所もとくにありません。
大事なのは己と言う音楽システムに情報をいつでもどこでも入出力できるということ、その価値を見直してみるのはいかがでありましょうか。そのための道具としてこのソフトはちょっと良いです。